グリッドトレードとは「株・商品先物・為替取引などの手法」の一つで、相場に対し等間隔の値幅でポジションを建て、利益が出たら決済を取る戦略をそう呼びます。もっとイメージしやすい表現をするなら「リピート系FX」です。マネースクウェアのトラリピ、アイネット証券のループイフダン注文、外為オンライン社のiサイクル注文という具体例を挙げると分かり易いと思います。
今のFXトレード環境においては、グリッドトレード(リピート系FX)は普及しきったと言っても過言ではないですが、グリッドトレードのメリットとは何でしょうか。良く表現されるのは、感情に左右されない、相場に張り付かなくてもいい、値動きを予想しなくてもいい・・・といったことが挙げられます。
果たしてそれだけでしょうか。グリッドトレードならではのメリットもあるからこそ、グリッドトレード手法を採用したサービス(トラリピ、ループイフダン,iサイクル注文etc)が普及したのではないでしょうか。
私が考えるグリッドトレードのメリットは「FXで資産運用するための各要素を満たしている」という点です。なぜそう言えるのか、1つずつメリットを紐解いていきたいと思います。
1.システムトレードによって感情排除と労力削減できる
人は損失を避けるという本能を持っていることから、FX投資において感情的な判断を行うと負けやすくなるというのは通説です(行動経済学・行動心理学より)。裁量トレードで勝ち続けるのが難しいといわれる所以の一つでもあります。
一方のグリッドトレードはルールに従って取引を行うシステムトレードの一種です。システムトレードは明確にルールを作って一貫して取引を行うため、負けやすくしてしまう感情を排除できます。
また、システムトレードは自動化(自動売買)することができます。寝てても、仕事をしていても、遊んでいても自動で取引してくれる形にすれば、相場への張り付かなくてもよくなります。
一部の天才は裁量でもFXで勝ち続けることはできるでしょう。しかしながら一般人がFXで勝つにはなかなか難しいですし、長きに渡ることになる資産運用に労力を費やしていたら疲弊します。システムトレードは、負けるファクターになりがちな感情を排除し、自動売買にすることで労力・トレード時間という大きなコストを削減できるのです。
2.手法そのものが単純明快で分かりやすい
素人がFXで資産運用するにあたっては、システムトレードを活用するのが早道だと思いますが、一般的なシステムトレードは難解なものが多いです。
過去相場の検証等で「xx指標がyyになったら売買する」など確率的に優位になるようルールが組まれます。この確率的な優位性を高めるために、複数指標を使ったり、騙しを回避するためのフィルターを設ける等、いくつもの条件を組み合わせるのが普通です。
注文時・決済時ともにテクニカル指標のxxがゴールデンクロスしたら・・・、yyをブレイクしたら・・・、zzのパターンに適合したら・・・など非常に難解なりがちです。そして、世に出回るシステムトレードのロジック詳細は明かされない事がほとんどであり、どんな動きをしたときにトレードが行われるのかすら把握できませんし、利益が出るのか損失を被るのかは予測できません。
勝てればロジックなんてどうでもいいという方もいらっしゃるかとは思いますが、大事な資産を運用するのにどのようなロジックが組まれているか分からないものに任せる・・・というのに不安を抱く方はいませんか?私は「上手く稼げている・もしくは損している、いずれであっても訳も分かずそのような状態に陥るのはきっと許容できないだろう」・・・と、不安を感じて二の足を踏みました。
他方のグリッドトレードはテクニカル手法を一切使わず、ロジックが極めてシンプルでかつオープンです。ロジックが分からないという不安要素はありませんし、単純な手法であるため、相場(現在価格)がどのステージにあるかで利益が出るのか・それとも損しているのか把握しやすいです。
※私が自動売買システムを始めたころ、優秀な成績を残している魅力的な市販の自動売買システムがありましたが購入に踏み切れませんでした。その理由は価格以外の要素として、中身が分からない(ブラックボックス)、いつまで通用するのか不透明である・・・というものがありました。
3.将来においても通用し続ける手法である
繰り返しになりますが、一般的なシステムトレードは過去相場で優位性のあるトレードを検証等で導いていますので、過去に無い相場に遭遇したり、めったに発生しない局面に対して脆弱であるという欠点があります。
また、絶えず変化の発生する相場環境に対し、将来において通用し続けるということは基本的にはありません。つまりロジックの有効期限のようなものがあり、その期限の到来も読むこと自体も困難です。通用しなくなってしまったロジックはその時点で捨てるか、現相場環境に適合させるため調整をするか・・・といった選択に迫られます。
一方のグリッドトレードにおいては、テクニカルレスである面が一線を画しています。相場環境に変化が発生しても手法そのものが通用しなくなるということはありません。
運用途上で通用しなくなって取捨選択の判断を迫られることもなければ、ロジックそのものを調整する必要性もありません。将来に渡っても通用し続ける手法なのです。(相場状況の変化によるリスク配分等の調整は必要です)
過去に遡ってみても、2001年には海外においてGrid Tradingという呼称で手法として存在していますし(当サイト調べ)、日本においては「かの有名なトラリピ」はサービス開始されたのが2007年12月です。
今に至っても廃れるどころか普及の一途を辿り、多くのFX業者が自動売買サービスとしてこぞって採用しているのがグリッドトレード手法です。概念的には「資金が無限なら絶対に負けないとされる無限ナンピン」が源泉にあるとも言われ、グリッドトレードという固有名詞がつく以前にも手法としては確立されているので、永続性は確固たるものと見ていいでしょう。
いつ通用しなくなるかよくわからない・・・そのようなロジックのシステムトレード(自動売買システム)に資産運用を任せっぱなしすることは出来ないです。長きに渡って資産運用したいといったときに、将来に渡って通用するか否かは非常に大事なファクターです。
4.継続的に利益を獲得できる
資産運用において、資産が増える実感を持てることは大事だと思っています。システムトレード(自動売買システム)によっては、月に数回しかトレードしないといったものもあります。このような取引頻度だと、まったく資産残高が増えない状況にヤキモキしたりします。
グリッドトレードで得られる利益は、リスクをどれくらいとるかという運用設定に大きな影響が出ますが、取引回数がそれなりに上ります。有名どころのサービス「ループイフダン」を引き合いにすると、ドル円を15銭間隔で運用する設定なら年間取引回数は1,000回以上です。
相場が動いているのが年に250日とすると、1日あたりに均すと4回程度はチャリンチャリンと利益が生まれる・・・と表現したほうが分かりやすいでしょうか。
1回あたりの利益は小さいため大きくガツンと稼げる手法ではありませんが、着実にコツコツと利益を積み重ね、口座残高が増えていく実感を持ちやすい手法です。
※含み損を常に抱える手法であり、口座残高は増え続けても有効証拠金(含み損を加味した残高)が常に増え続けるという事ではありません。
5.リスクコントロールしやすい
グリッドトレード手法を採用しているリピート系FXと呼ばれるサービス(トラリピ、ループイフダン、iサイクル注文など)は、ショック相場のようなものが発生すると、必ずと言っていいほどロスカットなどの退場者(運用破綻者)を生み出します。
運用者が多くブロガーも多いためにそのような情報が目につきやすく、リピート系FX(グリッドトレード)は危険だ・・・というような論調になることも少なくありません。ですが実際は反対です。グリッドトレードは予めリスクを算出できる手法なのです。
一般的なシステムトレード(自動売買)の場合は、複雑なストラテジーによっていつポジションがオープンになり、いつクローズされるのかは前もって知ることはできません。その売買頻度もシステムに依存する形になりますし、相場もどう動くか分かりません。つまり、損失リスクを予測すること自体が不可能です。予測できない事態に対してリスクコントロールするのは難しいのです。
一方のグリッドトレードはどうでしょう。相場が予測できないのは同じですが、売買する価格帯、ポジションを取る価格、ロットを指定するトレードです。相場がどう動くかは分かりませんが、「仮にこういう動きをしたら損失はこれくらい」というように計算によって損失額を予め算出することができるのです。つまり、自身の運用設定によってリスクを調整できる手法なのです。
FXトレード・資産運用において、自分の許容できるリスクに抑えるということは非常に重要です。グリッドトレードはリスクコントロールもしやすい手法です。
6.自分なりの運用アレンジがしやすく複利運用も可能である
資産運用において複利の力は偉大ですので、出来れば複利運用したいところです。リスクコントロールしやすいということは、資産運用において複利運用のしやすさにもつながりますが、FXの複利運用の基本的な考え方は少し注意が必要です。
FXの複利運用は「資産が増えたらその分だけリスクを取り、得られるリターンの期待値を上げる」というものです。
例えば「運用資金が200%に達したからリスクをそれまでの2倍にしよう」とすると、負けも2倍になります。つまり、運用破綻のリスクはいつまでたっても下がらないということになります。
グリッドトレードは運用設定次第でリスクを調整できますので、運用益の半分は運用破綻リスクを回避する方向に充当し(証拠金維持率を高める)、運用益の半分は複利に回す・・・といったことも可能です。
このように、運用破綻リスクと複利のバランスを取りながら、自分なりに運用をアレンジが可能なのです。
7.どんな相場でも通用する
冒頭で、グリッドトレードとは「株・商品先物・為替取引などの手法」と記載している通り、どんな相場でも通用する手法です。
FX(為替取引)ならどんな通貨ペアでも運用可能ですし、原油やゴールドなどの商品先物、個別株式や日経225などの株価指数はもちろんのこと、ビットコインなどの仮想通貨相場であっても通用します。
一般的なシステムトレードは銘柄別の特有の動きも考慮に入れるため、同じシステムを他に展開できるかというと中々そうはいかないですが、このグリッドトレードは基礎や概念を理解し、運用上の注意点を外さなければほとんどの相場に適用できます。
※これまで私がリアル口座で運用したことがあるのは、日経225とビットコインです。
まとめ
グリッドトレードのメリットを1つずつ見てきました。冒頭で、グリッドトレードのメリットは「FXで資産運用するための各要素を満たしている」と表現しましたが、もう一度振り返ってみます。
グリッドトレードのメリットは
・感情排除と労力削減ができる
・手法そのものが単純明快で分かりやすく
・将来においても通用し続ける手法であり
・どんな相場でも適用する
・継続的な利益獲得が期待でき
・リスクコントロールしやすく
・自分なりの運用アレンジがしやすく複利運用も可能である
長きにわたって資産運用するつもりであれば、先々に渡って通用するシステムトレードでなければなりませんし、リスクコントロールも必須になります。FXはギャンブル性の面で捉えられることもまだまだ多くありますが、グリッドトレードはFXで資産運用を可能にするための要素を多く満たしていると言えるのではないでしょうか。
<補足>
上記は良い面だけを切り取った内容です。先走って、グリッドトレードは利益が出やすいという誤認をしないようご注意いただければと思います。メリットがあればデメリットもあります。長くなってしまったのでそれはいずれ別記事にて。
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